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信託財産の使い込みを防ぐには

認知症対策として、数世代先の財産の承継対策として、多くのメリットがある家族信託を検討するご家庭が増えてきたように思います。

さて、改めて基本に立ち返ってみると、民事信託の一種であり、『信頼のおける家族に、大事な資産を信じて託す』という意味合いで家族信託と呼ばれています。

しかしいくら家族とは言えど、その時の状況によっては、つい魔が差した、仕事がうまく立ち行かなくなりどうにもならず、、など、受託者の立場を悪用してしまうケースが全く無い、とは言い切れません。

今回のトピックスでは、こうした危険性を事前に回避する方法を取り上げてみたいと思います。

【事例】
●母、長男、長女の3人家族(父は他界しており、他の親族とは疎遠)。長女は知的障がいがあり、母が面倒を見ている。
●実家と、父が生前に遺した預貯金があり、当面の生活費等は問題ない状態。
●母は最近物忘れが心配になってきており、自分の意思がはっきりしているうちに子供達に迷惑をかけないよう施設に入居し、実家を売却したお金で自分の入居費用と長女の生活資金(家賃+生活費)に充てようと考えている。
●兄妹の関係は良好だが、長男は若干お金遣いの荒い面もあり、自分の意思がはっきりしているうちはいいが、認知症が進んでしまった後のお金の管理に不安を覚えている。


上記のような状況下では、委託者=母、受託者=長男、受益者=母と長女、といった家族信託が考えられます。

しかし母の不安を考えれば、さすがに全額とは言わないまでも、最低限の生活資金以外を着服してしまう可能性を否定できません。

このように受益者が社会的弱者にあたる場合、他の親族が疎遠であったりすると信託財産の悪用・横領といった危険性をはらんできます

 

≪問題解決するには?≫
さて、このようなケースにどう対処すべきでしょうか。

考え得る対処方法は次の3つがあります。

①受託者を複数名選任する
②信託監督人をつける
③受益者代理人をつける

それぞれの方法を検討してきましょう。

 

①受託者を複数名選任する

最も簡易な方法として、受託者を複数名選任する方法があります。

親族の中で受託者(財産管理する人)が複数いれば、財産活用の際に話し合い、互いを監視する機能が働きます

もちろん受託者同士が結託してしまうと管理機能は破綻してしまいますが、それでも一人に任せるよりは使い込み防止となります。

しかし管理運用の方針で揉めてしまったり、今回のケースのように他の親族と疎遠であったりするとこの方法は難しくなってしまいます。

 

②信託監督人をつける

①のように複数の受託者をつけた場合、その都度話し合いが必要になるため、管理が煩雑になりがちです。

そのため、しっかりと財産管理がされているか、信託監督人をつけるという方法があります。

信託監督人とは、「受益者(利益を受け取る人)のために、財産が正しく利用されているか」について監督する立場にある人を指します。

親族がなる事も出来ますが、より公平性を保つため、司法書士等の専門家に依頼する方が良いでしょう。

職業監督人は第三者にあたる為、受託者と結託するような事はほぼないと言えるでしょう。

デメリットとして、外部の専門家に依頼するため、監督報酬が発生します。

相場は概ね月額1万円ほどです。

信託監督人は最初の信託契約で定めていなかったとしても、裁判所への申立てにより選任する事が出来ます

 

③受益者代理人をつける

信託監督人は財産管理が正しく行われているか、受託者からの報告を受け、状況によっては指導できる立場にあります。

しかし、実際に受益者ではない為、金銭が実際に正しく渡っていなかったとしても、それを請求できる権利がありません

そのような時に、受益者代理人を置くという方法があります。

受益者代理人は信託監督人と同様に受託者を監視する立場にあり、「受益者が受け取るべき金銭の請求や受領、信託契約の変更を含め、受益者の代わりとして動く」ことが可能です。

よって、受益者の利益についてのあらゆる権利を代理人として行使・意思決定し、受託者の使い込み等を防ぐことが出来ます。

信託監督人より、より強い権限を持った者と言えるでしょう。

ただし注意点として、受益者代理人は信託設計時に「受益者代理人を選任する」旨を信託契約書に盛り込む必要があります

さらに、受益者代理人を設定すると、受益者本人は例外を除いて権利行使が出来なくなります

ただ今回のように受益者が社会的弱者にあたる場合、元々権利行使が難しいと考えられるので、この点については大きな問題とはならないでしょう。

また、受益者代理人に関しても②と同様、専門家が就く場合には報酬が発生します。

 

いかがでしたでしょうか。
今回の事例については、報酬の費用感が問題なければ、受益者代理人を置く方法が一番確実と言えるでしょう。

家族信託はいくつか決まったスキームがあり、一見すると判断がしやすいように思えますが、当然ながら、ご家庭を取り巻く環境はケースバイケースです。

様々な要因を想定しなければ、本来望んでいた結果を得られないため、信託設計時には豊富な周辺知識が必要とされます。

ご検討の際には是非一度、経験豊富な相続・生前対策専門チームが在籍する渋谷区マークシティ、目黒区学芸大学駅の司法書士法人鴨宮パートナーズまでご相談ください。
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